Disperazione(やけくそ)


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4.二人の間でU


ぐちゅぐちゅと、おそらくはわざと音を立ててジュリオの指が内側を擦る。

「あ・・・・・・、ん・・・・・ふ・・・・・・、だ、めだ・・・・・・ジュ・・・・・オ・・・・・・」
「だめ・・・じゃない、ですよね?・・・・・・ジャンさんのここ、だいぶ解れて、きました・・・・・。気持良さそうにヒクついて・・・ます」
「ば・・・か、言うなって・・・・・・・そんなの・・・・・・っあ・・・・!」
「凄い・・・です、カウパーこんなに溢れさせて・・・・。ここの穴まで垂れて・・・・」
「んっ・・・・く・・・・・・・・っ」

普段あまり喋らないヤツが、エロいことしてる時にたくさん喋るなんて反則だ。
下半身をジュリオの指に愛撫されている俺は、クスリの効果も手伝ってもうメロメロ。
尻の穴を指で弄られてこんなに気持ちイイなんて、滾るチンコ挿れられたら、俺の身体、一体どうなっちゃうんだろね?
なんて思いながらジュリオの指技に酔いしれていると、

「だーっ!まどろっこしいな!おい、そんだけ解れりゃもう十分だろ!?
挿れるならとっとと挿れて、ドピュンと出してとっとと俺にヤらせろ!」

後ろで俺の乳首を捏ねくり回していたバカ犬がキャンキャン吠えた。

俺という餌を食いかけで『待て』と命令され、オアズケくらった上に横取りされたとあって、かなり苛立っている。

仕方ねえだろうがよ。ジュリオはお前より上位幹部なんだからさ。

つうか、さっきまで嬉しそうに俺の乳首を抓ったり転がしたり、耳舐めたりしてたじゃねえか。もう飽きちまったのか?この駄犬が。

それよか俺の腰にその硬くなったモノ擦り付けんの止めてくんないかな。
そう、さっきから俺の腰に自分のチンコをぐりぐり擦りつけてやがんだよ、コイツは。

キモイからやめろ。

文句を言おうとしても、ジュリオが施す快感に侵されて言葉にならない。

「ジャンさん、そろそろ・・・・・・挿れて・・・、いいですか?」

上気した顔でジュリオが聞いてきたから俺は頷いた。

「痛かったら・・・言ってくださいね」

神妙な顔で言った後、ジュリオの熱が俺の中に入って来た。



「・・・ッ・・・・・」
「あ、大丈夫、ですか?」
「・・・ああ・・・・・・」
「ジャン、さんの中・・・・・・、凄く熱い・・・です・・・・・」

さっきいきなりイヴァンに挿れられた時とは大違いだった。
尻をチンコで擦られるのがこんなに気持ちイイなんて。
クスリの助けもあるのだろうが、何よりジュリオがしつこい位に丁寧に解してくれたおかげかも。


前立腺がある場所をジュリオので擦られると堪らなく善くて。

「んあっ・・・・!ジュリオ・・・・・・そこ・・・・・・・・・イイ・・・・」
「ああ、ここ・・・・・ですね。・・・たくさん擦ってあげます・・・から・・・・」
「くっ・・・・あ・・・・・・ふっ・・・・ん・・・んー・・・・・っ!」

ああヤベエ。部屋の外にいる奴らに俺のイイ声聞かれちまう。
そう思っても善がり声が止まらない。

「ジュリオ!い、・・・・いく・・・・・、おれ・・・・・・・・・・い、いく・・・」
「達って、くだ・・・・っさい・・・・・・っ、俺も・・・・・」

ジュリオの動きが早くなり、俺の前立腺を擦りまくった。

「ああっ・・・・!」
「っ・・・・」

多分同じくらい、だったと思う。
俺とジュリオは白い液を放った。

・・・・後ろだけでイっちまった・・・・・

どうやら俺は、『新世界へようこそvv』って書かれた扉をくぐり抜けたようだと、ダラダラと長引く射精の中でそう思った。


そして。
達したのは俺とジュリオだけではない事にも直ぐに気がついた。
俺の腰の辺り、このねっとりとした感触は・・・・。

「おい、イヴァン・・・・・・、お前もしかして・・・・・・」
「う、うるせえ!それ以上口開くんじゃねえ!クソ!クソ!クソッ!」

イヴァンのバカが悔しそうに吠える。
どうやら達っちまった・・・・・みたいだ。

「お、お前があんなエロい声出すから!」

って、俺のせいかよ??
自分の失敗を人のせいにするのはよくないってママに教わらなかったか?
つーか、イヴァン、お前若いんだし、すぐ復活するだろ?
まだクスリが効いてるらしい俺の身体は、まだ全然足りてねえ。
ほれ、見てみろ。あんなにダラダラ出したのに、まだもの欲しそうにおっ勃って震えてる。

「イヴァン・・・・、今度は、お前のを・・・・くれよ・・・・・」

肩越しに振り返り我ながらナイスな誘い文句を吐くと、

「くっ・・・・・」

イヴァンは素早く俺の後ろから抜け、ジュリオを突き飛ばす勢いで猛然と俺に圧し掛かってきた。
うーん、ヤル気満々だね。若いってスバラシイ。

「くそ、エロい穴だな・・・。もの欲しそうにひくついてやがる・・・・・・」
「オヤジ臭ェセリフ・・・・」
「うっ、うっせえ!誰がオヤジだ!俺ぁ、幹部の中で一番若ぇんだ!」

はいはい、知ってますって。
つうか、うん、ホント若いねー。それは認めるよ。もう復活してるみたいだし。
でもなー、俺の尻穴見て勃起するなんて、お前どれだけ自分がヤバイか分かってるか?『新世界へようこそ』って扉をお前もくぐっちまったんだぜ。

「っひ・・・んん・・・・・や・・・・・・ぁ・・・・」

イヴァンとの会話の途中、思わず声を上げちまったのは、俺の横に移動したジュリオが、さっきまで散々イヴァンに弄られ真っ赤になった乳首を口に含んだから。

チュパチュパと音を立てて俺の胸を舐めまわす。
痛い程嬲られていた場所を急に優しくされ、その違いに戸惑いながら切ない声が立て続けに零れる。

「ン・・・・、ふ・・・ん・・・・、ジュリオ・・・・・それ・・・・いい・・・・・」

ジュリオの愛撫に声を上げたことが悔しかったのか、イヴァンは

「・・・クソ!負けるもんか!」

苛立ったように聊か乱暴に俺の足を自分の肩に担ぎ上げた。
勝ち負けじゃないんだけどな。

俺はもう二人のなすがまま。
復活著しいイヴァンの熱が押し当てられる。
その時、

「っ!」

ぴちゃぴちゃと乳首を舐めるジュリオの動きがピタリと止まり、凄い勢いでドアを振り返った。

何?何なの??

と思う間もなくドアが開く。

「お〜〜、いい事やってんじゃねえか。俺も仲間に入れろ」

そう言いながらズカズカ部屋に入ってきたのは、

ピンク色の頭をした百獣の王だった。