The tune don't stop sounding.

いつまでも響き続ける













 終わらない遁走曲(フーガ)









チュ

チュ

チュ


絶頂の波がようやく納まり、指一本も動かせずにグッタリ横たわる俺の髪や頬に、
ルキーノがキスの雨を降らせている。

激しすぎるセックスの後で、

「・・・ジャン・・・」

こうやってキスの合間に優しげな笑みを浮かべながら、甘く俺の名を囁くのも忘れない。

――――― うー、コイツが女にモテんの、判るような気がすんぜ

まめな男に感心しつつ、さっきまで俺のペニスを咥えていた、
その口許をぼんやりと見遣っていると、


「どうした。俺の口に何かついてるのか?」
小首を傾げながら、ルキーノが俺の目を覗き込んだ。

「いやぁ・・・、エロいことばーっかするお口だなぁ・・・って思ってさ・・・」

掠れた声で答えると、

「善かっただろ?」

ニヤリと不遜に笑い、自身有り気に言い放った。


さっきまでルキーノに勃起したペニスに舌を這わされていた。

軽く歯を立て甘噛みされるとゾクリと肌が粟立ち、
尖らせた舌先で鈴口を抉られると、腰が浮くほどの快感を覚え、
ぷっくりと染み出した先走りの露をを見せ付けるように舐め取られると、羞恥で身体が熱くなり、
口内にペニスを含まれたまま、舌先を括れに沿って這わされると、
ガクガクと腰が震えた。

「っあ・・・・、も、もう・・・・・・ダメ・・・・・・っ、・・・ん・・・、んあああ・・・・っ」

最後は一気に根元から吸い上げられ、俺は声を上げてルキーノの口内で達してしまった。


評価としては『善かった』どころではない。
『非常に善かった』だ。

しかし、ルキーノがあまりにも自信満々に言い放つので、「こんにゃろめ」みたいな気持ちになった俺は、
つい

「まあまあ・・・だったかな」

などと、心にもない返事をしてしまった。
すると、
それまで俺の髪を優しく梳いていたルキーノの動きが
ピタリと止まってしまった。

あちゃー、今のはさすがに失言だったかな・・・・・

そう思っていると、案の定、

「まあまあ・・・だと?」

低い声と共にルキーノの片方の眉が不快そうにピクリと上がった。
言葉にこそ出していないが、「まあまあ・・・だと?」の後に「俺の口の中に出したくせにか?」と続いているような気がした。
ちなみに言っておくが、口内射精してしまった事に関して、俺に非はない。
何度も、『もう達きそうだから』と、ピンク色した頭を引き剥がそうとしたんだ、俺は。
でも、『うるさい』とばかりに、俺の腰を抱え込みより深く咥え込んだのはルキーノだ。
つい『わ、わり・・・』と謝ってしまったのは、俺の人柄が好いからに他ならない。

とはいえ、今のまあまあ発言ははさすがに不味かったかもしれないと、心の中で少し反省する。

本当は凄く善かったよ。
あまりの快感で失神寸前だったんだからな。
お花畑いっぱいの天国が見えそうだったぜ。
ほら、俺の声、掠れてるだろ?お前の口が善すぎてこんなになっちまったんだよ。

・・・とはやっぱり言えずに押し黙っていると、
おおおおお?頭突きか?頭突きされんのか?間近にルキーノの顔が迫り、怯んだ俺は目を瞑った。
しかし頭に衝撃はなく、代わりに両頬にペチンと温かいものが触れ、
恐る恐る目を開けると、ルキーノの大きな手が俺の頬を挟み込んでいた。

「ったく、口が減らんヤツだな・・・・。俺にベロベロ舐められてあんなに善がっていたくせに、まあまあとか言いやがって・・・・・・」

俺を見下ろしながら、怒っている・・・というより呆れているといった口調でルキーノが言った。

「う、うるへー、はなへほー」
『うるせー、放せよ』と言ったつもりだったが、両頬をぎゅうっと挟まれて美味く言葉にできなかった。まぁ、ムンクの叫びのようなこの状態じゃ仕方ないけど。

「まあいいさ。合格点をもらえるまで頑張らせてもらうさ・・・・。な?ジャン・・・・・」
ニヤリと笑ったルキーノが、突き出したままの俺の唇をベロリと舐めた。

「んっ・・・・」
頬を挟む力を緩めたルキーノは俺の歯列を丁寧に舌でなぞった後、口内に侵入してきた。
上顎をチロチロと擽ぐられる。
うわぁ、よ、弱いんだよ、そこ。背中がゾクゾクってして、
「・・・ん・・・ふ・・・・ぅ・・・・」
な?こんな風に鼻に掛かった甘い声が出ちまうんだ。

濡れた声に気を良くしたのか、ルキーノの舌が強引に俺の舌に絡み付いて来る。
そのまま甘噛みされ、吸われる。
先端をレロレロと舐め、また舌を絡ませる。
ああ、これは、俺のペニスを愛撫していたのと
同じ手順じゃないか。
そう思うほど、濃厚なキスは続き、
ようやく解かれたころにはすっかり息が上がっていた。





「おー、また元気になっちまったな」
俺の下半身にチラリと目を走らせたルキーノが満足そうな笑みを浮かべる。
くそぅ、誰の所為だよ、誰の!
お前のエロいキスのおかげで、こんなになっちまったじゃねえか。
どうしてくれるんだよ、とばかりに睨むと、

「責任とってやるよ。今度は合格点もらえるようにな・・・」

ルキーノはニヤリと笑いながら、顔を俺の下半身に移動させ、そして。

ぱくり。
何の躊躇いもなく、俺のペニスを食んだ。


「んっ・・・ぁ・・・ああ・・・・」

ねっとりと熱い口腔に包まれて快感に肌が粟立った。

巧妙に動くルキーノの舌に翻弄され達かされて、



再び冒頭に戻るのである。





甘い・・・・・・・・・甘すぎる・・・(;^△^)ア、ァハハハハハハ
しかーし、
The tune don't stop sounding.
このシリーズは甘くするのだー
虫歯に気をつけるのだーハミガキハミガキ (^O^)щ⊂


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