暗闇の奴隷



















「タクト、居るかい?」

優しい笑みを浮かべたマスターが部屋に入ってきた

僕はいつでもここに居るのに
この部屋から出る事はないというのに
マスターはいつも同じように声を掛ける

「私はこれから狩りに出掛けなければならない」

僕の傍に近付いたマスターは

「それまでいい子で待っていられるかな?」

大きな掌でゆっくりと僕の頭撫でながら言った

「・・・・はい」

僕はそう返事をしたけれど

――― 私が居ない間、勝手に服を脱いではいけないよ
――― 自分で弄ってはいけないよ

マスターが出掛けた後、僕はその言い付けを守らず、いつも自分で自分を慰めてしまう

――― タクトは本当に悪い子だね

帰って来たマスターはその度僕にお仕置きをする
だけど僕はそのお仕置きが堪らなく好きで
いつも同じ事を繰り返してしまうのだ

――― そんなに感じているのではお仕置きにならないな・・・

マスターは目を細め苦笑を浮かべながら
頭がおかしくなるほど僕を責め立てる

根元を細い紐で縛り
マスターの意地悪な手や口が僕の感じる場所を嬲る

吐き出せなくて
苦しくて
切なくて

『ごめんなさい。もうしません』
僕は泣きながらマスターに謝り続け
ようやく許された射精は
より深い快感へと僕を導く



「本当に?タクトは私との約束を守れるのかい?」

疑わしそうな目をしたマスターが僕に聞いた

「・・・・・・・・・・・」

マスターの赤い目で覗き込まれ
念を押すみたいに問われると
僕は答えに困ってしまう


多分約束は
守れない



俯いて黙っていると

「いけない子だな、タクトは・・・」

マスターは突然僕の手首を掴み
いつも使っている太いベルトで僕の腕を動けなくしてしまった

「あ・・・、・・・・・マスター・・・・、何を・・・・・」

これじゃマスターがいない間、僕は自分自身を触れない

「いや・・・・です・・・・・・、外して・・・・・・・ください」
「こうやっておかないとタクトはまた自分で弄ってしまうだろう?」
「し、しません・・・!だから外してください・・・・・」

僕は必死にマスターにお願いした
けれどマスターは優しい笑みを崩さず、首を横に振るだけで
外してはくれない
それだけじゃなかった
ベルトで拘束された腕を
頭の上でしっかりと固定される
僕を見下ろすマスターに向かって叫んだ

「いや・・・・です!マスター・・・・・・。こ、こんな・・・・・、こんな事をされたら僕は・・・・」
「自慰ができない・・・?」
「っ!そ、んなこと・・・・しません!だから・・・・!」

外して下さい、と頭の上で腕を揺らすと、
マスターはスッと目を細めて僕を見た

「タクトは私に逆らうのかい?」

僕を戦慄させるに十分な静かな声が部屋に響いた

「ち、違います・・・・!逆らうなんて・・・そんな・・・」

もしかしてマスターを怒らせた・・・?
僕は恐くなって慌てて否定した

「ではタクトは私が帰って来るまでいい子でいられるのかな?」
「・・・・は・・・・い・・・・・・」

僕はマスターに従うしかない
僕の返事に満足したのか、マスターは優しく笑みながら
僕の頬を撫でた
良かった
怒っていないみたいだ


「出掛ける前に、今日は従順で淫乱なタクトに良い物をあげようと思って来たんだよ。
特別な日だからね」
「特別な・・・・日・・・?」

薄暗いこの部屋で僕は
マスターに抱かれ、そして眠り、
また起きてマスターに抱かれる
それが普通の日々
特別なんて
知らない



「タクト、私達はもう歳を取らないから関係ないけれど・・・
今日はね、タクト生まれた日なんだよ。・・・とは言ってもタクトがまだ人間だった頃の話しだけれどね・・・」
「に・・・んげん・・・・?」
「・・・・いや・・・・、そんな事はもうどうでもいい。遠い昔の話だ・・・・」

何かを思い出したのか、マスターはちょっとだけ苦しそうな顔をしたけれど
そんな訳の分からない話より
頬を撫でる指が止まった事の方が悲しいと
僕は感じた

その後直ぐに、いつもの優しい顔に戻ったマスターは
この上ない優しい声で僕に命令した

「タクト、脚を拡げてごらん」

マスターに言われた通り、僕は自由になる脚を大きく開いた
僕の恥ずかしい格好を見下ろしていたマスターの視線が脚の間で止まる

「おや?まだ何もしていないのに、もうこんなにさせているんだね」

僕の大きくなったペニスを見てクスリと笑った

「タクトは縛られるのが好きなのかい?」
「ち・・・がいます・・・・、マスターが僕を見つめるから、だから・・・」

マスターに見つめられると
見られたその場所が熱く痺れたみたいになる
顔を見られると火が出たように熱く
胸を見られるとそれだけで乳首が勝手に硬く尖る
今マスターの視線が注がれているのは僕のペニス
大きく昂ぶるのも無理はない

「本当に私のせい?タクトは嘘吐きだね」
「嘘なんかじゃ・・・・ありません・・・。僕はマスターに見つめられただけでこんな風になってしまうんです」
「そうなのかい?でも、縛られるのも嫌いではないだろう?」
「・・・・・・は・・・・い・・・・・・」
「タクトは素直だね」

『可愛いよ』そう言いながらマスターは僕のペニスから溢れ出した透明の液を

細い長い指で掬い取り、見せ付けるようにペロリと舐めた

「タクトの味がするよ」
「っ!」

はしたなく零した液を目の前で舐められて、僕は恥ずかしくてマスターから目を逸らすと

「タクト、私の目を見なさい」

マスターの厳しい声が飛んだ
おずおずと顔を向けると、声は厳しかったけれど穏やかな顔をしたマスターが僕を見下ろしていた

「私はいやらしいタクトが大好きだよ。・・・これは私からのプレゼントだ」
「・・・プレ・・・ゼント・・・・?」
「そう。人間は誕生日に贈り物をする習慣があってね・・・・・・・
タクトにはこれをあげよう」

そう言ってマスターが僕に見せたのは
変な形をした器具だった
それは何ですか?と聞く間も無く、マスターは僕の中にその器具を押し挿れた

その器具は僕の胎内で動く訳でもなく
ただ内を圧迫したに過ぎなくて
・・・変なの
こんな何も感じない物を挿れて、マスターは一体どういうつもりなんだろう?
僕は不思議に思った
でもマスターは満足そうに

「これで良い。ではタクト、私は出掛けるからね。好きなだけ達していいよ」

そう言って扉に向かって歩き出した

どうしたんだろう?こんな物じゃ僕の躰が慰められる訳ないのに
それに
こんな無機質な器具で達するつもりもない
僕はマスター自身に愛してもらいたいのに
だから僕はマスターにお願いした

「マスター、マスター、これ、取って・・・・くださ・・・・・い・・・・・・」

「おや?私の誕生日プレゼントは気に入らなかったのかい?」
「こ・・・んな・・・・物よりマスターが・・・・欲しいです」

僕が正直な気持ちを告げると
「可愛いことを言ってくれるね」
扉に向かっていたのに僕の所まで戻って来て
キスをしてくれた

それは
深い
深いキスで
僕の頭は痺れたように熱くなった

すると突然

「ンあっ・・・・・!っ・・・・く・・・・・や・・・・ぁ・・・・・」

さっき挿れられた器具が僕の内部で一番感じる場所を押し上げた

「っぁ!や・・・・なに・・・・・・これ・・・・・・!」

余りにも強烈な内側からの刺激に驚いて
僕は縋るようにマスターを見上げた

「っひ・・・・いや・・・・・・・な・・・に・・?・・・・・やぁ・・・・っ!」
「嗚呼、良い啼き声だね、タクト」

マスターは口端を上げて満足げに笑っている

「そ、んな・・・・・・・、あ・・・、や・・・・だめ・・・・・動かさないで・・・・・」
「何を言ってるんだい?タクト・・・。私は何もしていないよ。いやらしく動いてるのはタクト自身じゃないのかい?」

確かに、マスターは僕を楽しそうに上から見下ろしているだけだ
僕に挿れた物を抜き差ししている訳ではない

「いや・・・・・・・だ・・・・・、取って・・・・・・・マスター・・・・・!」

泣き叫びながら、器具を押し出そうと下腹に力を入れると
前立腺と会陰部が更に僕を刺激を加えて来た

「っひ・・・・・・ぁ・・・・・・ああ・・・・・・っ!」

もう何が何だか分からず僕は叫んだ

「や・・・取って・・・・・下さい・・・・・っぃ・・・・・・っああ・・・っ!」
「そんなに泣く程気持ちイイのかい?」

マスターの細い指が
また僕の頬を撫でた
触られた場所が熱電流が走ったように痺れ熱くなる
ああ、マスター
そんな事をされたら・・・・・
太腿から這い上がってくるようなゾワゾワした快感に
躰が震える

「っああ・・・・・っ・・・・・・、マス・・・・・・・・っや・・・・・・出・・・る・・・・・・・っ!」

僕はマスターの見ている前で腰をくねらせて達してしまった


「おや?もしかして達したのかな?」


身体中が痙攣し、意識が朦朧とする中
マスターの感嘆とした声が響いた

「素晴らしいよ、タクト。射精しなくても達せるようになったんだね。気持ちが良かったかい?」
「・・・・・ぇ・・・・・・?」

いつもより強い衝撃でイった感覚はあったのに
でも、いつも出る白い液は出ていなくて


「タクトはどんどん厭らしい躰になっていくね・・・・・・」

マスターは満足そうな目で僕を見下ろしていた


「精液を出さないから、いくらでも好きなだけ達くといい」

マスターが目を細め嬉しそうに笑う

「それでは私は狩りに出掛けて来るよ」
「・・・・・ぇ・・・・・?」

マスターは踵を返し扉に向かった
僕の中に器具を挿れたままにして・・・

「・・・・マ・・・・・ス・・・タ・・・・・?・・・・・待って・・・・・・っ!」

僕の叫びも虚しく
マスターは扉を開けて出て行ってしまった

一人部屋に取り残された僕は

また新たに押し寄せてくる快感の波に身悶え
ただひたすら
ベッドの上で
喘ぐしかなかった




拓人誕♪
って、祝ってないし^^;
ただ単に、『SLAVE TO THE DARK』ENDが大好きなだけ。
ドSマスター・エネマグラ煌×ドM奴隷タクトvvイェィvv

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